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第17話 夜伽

ผู้เขียน: 甘梨鈴
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-06-19 17:00:31

 少し躊躇った後、厳しい顔のまま告げた。

「いいか、エマヌエーレ。……万が一、皇太子から夜伽を命じられても、そなたは断れぬ」

「ぇ……?」

 一瞬、何を言われたのか分からなかった。

 夜伽とはつまり、皇太子と閨を共にするということだ。

「公の場で求められることはない。私がその場にいれば、断れるように口添えはする。だが、もしそなた一人の時に命じられたら、謹んで受けよ」

「ですが! 私は、レオナール王子の婚約者ですっ」

 王族の婚約者を夜伽に命じるなど、普通は考えられない。

 王太子は哀れむようにエマを見つめた。

「皇太子は、何をしても許される立場だ。正当な理由があれば抗議はできるが、多少の暴挙には目をつむるしかない」

 その言葉に、エマは悟った。

「……私がオメガだから、受けねばならないと言うことですか?」

「そうだ」

 ためらいなく頷く王太子に、エマは唇を噛んだ。

 もしエマがアルファかベータであったなら、ランダリエは非情な命令だと抗議するだろう。

「帝国のオメガは、娼婦と変わらぬ。同時に、我が国の『聖樹』は特別だ。皇太子が特別なオメガとして『聖樹』を所望した場合、受けねばならん」

 王太子の言葉に、エマは俯いた。

『聖樹』は、王家の所有物だ。外交のカードとして使われるのは、当然のこと。

 国のために、王家のために、道具として扱われるのが定めだと分かっていたが、目の前に突きつけられると、恐ろしくて仕方なかった。

「今残っている『聖樹』で、皇太子の夜伽をできる年齢の者は、そなたしかいない。そして、そなたはまだ正式な妃ではない」

 王太子が続けた言葉に、愕然とした。

 まさしく、その通りなのだ。

 エマがレオナールの婚約者に選ばれたのも、年齢の釣り合う聖樹が他にいなかったから。歳の近い『聖樹』はもう他国の王族へ嫁いだ後だ。

 そして、王太子夫妻には子が三人もいる。王家の血筋を残す意味でも、エマは必要ない。

 ただ、しきたりによって、王子の婚約者に選ばれただ
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